IIoTの活用にはWirelessHARTが適している7つの理由
今日は、この記事でWirelessHARTとIIoTソリューションを導入する7つの理由をお伝えしたいと思います。今のところ、ワイヤレス技術はすでに市場で信頼できる技術であるにもかかわらず、大多数のユーザーはまだ使用していません。スマートデバイスの様々なデータは現場に残ったままになっているのです。
ワイヤレスがまだ確固たる技術として認識されていなかった頃、私はこの話題を他業種の営業担当者と一緒に対面で推し進めていました。当時も今も、WirelessHARTは、ユーザーが "私の工場で機能するものでなければ使わない "と言う技術であったことを実感しています。私は当時、フィールドテストを行い、この技術が動作しているところを見せた後スピーディに導入sうることが好きでした。
ワイヤレスネットワークのデザインツールが充実してきても、この状況は変わらないと思います。ユーザーは、購入する前にそのソリューションが正しく動作するのを見たいと思うでしょう。
ワイヤレスに関して、様々な疑問に私がここでお応えすることができれば、最初のテストやその後の技術導入の障壁をなんとか回避できるかもしれません。
今日の目的は、WirelessHARTとIIoTソリューションに関する懸念を払拭することです。もう心配する必要がない理由をご説明したいと思います。その上で、WirelessHARTとIIoTが日常業務にもたらす真のメリットをお伝えします。
一緒に答えを見つけていきましょう。
私の会社はワイヤレス技術に対応できていません。
企業がワイヤレスに対応できていないというのは、この技術に関する最初の懸念です。その理由は、ワイヤレスに対応するために必要な知識や、アプリケーションの複雑さに関する不安です。
まず第一に、すべての企業がこの種の技術を導入する準備はできています。ネットワークを維持するために必要な知識は簡単で、ベンダーは通常、現地チームにトレーニングを提供します。
通常、トレーニングでは、技術の背景にあるコンセプトや、セットアップ、デバイスの変更、ネットワークのトラブルシューティングに必要なことを説明します。デバイスの監視のほとんどは、ゲートウェイにアクセスしてWebブラウザを使って行うことができます。さらに、関連する無線アダプタは、従来の設定ツールを使って行います。
次に、WirelessHART ネットワークの実装も非常に簡単で、数時間で行うことができます。ワイヤレスアダプタについて言えば、これらは、ベンダーに関係なく、4-20 mA/HART通信をサポートする既存または新規のフィールドデバイスにさまざまな方法でインストールすることができます。
フィールド機器に簡単に取り付けることができ、アダプタにネットワークIDとジョインキーを設定すれば、自動的にネットワークに接続されます。また、すべての設定はWebブラウザやFieldCareなどのソフトウェアを使ってリモートで行うことができます。
WirelessHARTネットワークは、OPC、Modbus TCP/IP、HART-IP、Modbus RS-485などの標準的でオープンなプロトコルによって、制御システムに統合されます。
最後に、工場を100%無線化する必要はなく、小さなプロジェクトから始めて、必要に応じて新しいデバイスを追加していくことができます。
今のところ、ワイヤレスの大きなプロジェクトはありません。
大丈夫です。WirelessHART技術を導入するのに、大きなプロジェクトから始める必要はありません。この技術は、小さなプロジェクトから始めて、必要に応じて新しい測定ポイントを追加することができます。
私がWirelessHARTを導入したアプリケーションの多くは、監視のためのシンプルなプロジェクトでした。お客様は技術を試すと同時に、設置費用やサービス時間の節約を望んでいました。
それに加えて、リモートソリューションを使ってフィールドデバイスにアクセスすることによる優れた利点もあります。世界のどこにあっても、エアコンの効いた部屋や暖房の効いた部屋から作業することができます。
Netilion Health、Netilion Analytics、FieldCareなどのソリューションは、フィールドデバイスの健全性のチェック、設置基盤の管理、すべてをリモートで設定する手段を与えてくれます。
例えば、在槽タンクのレベルや温度の監視にWirelessHARTを使用することで、この技術の導入を開始することができます。さらに、エネルギー監視システムは、WirelessHARTソリューションで簡単に実現できます。同じことが、WirelessHARTとNetilion HealthなどのIIoTサービスによるフィールド機器の健全性の監視にも当てはまります。
シンプルな監視ポイントに実装した後は、より大きなプロジェクトに取り組むこともできます。つまり、すべてのデータとプロセス計測をストレートに提供する信頼性の高いネットワークが必要な大きなプロジェクトを見つけることです。
WirelessHART通信は、私の工場で使用するのに十分な安全性を備えていますか?
はい、WirelessHARTとIIoTソリューションは、高いレベルのセキュリティを備えています。WirelessHARTネットワークのセキュリティに関しては、別の記事でIIoTソリューションのセキュリティについてご紹介していますので、こちらをご覧ください。
ネットワークのセキュリティに関する技術的な詳細にはあまり触れないようにしますが、いくつかの技術的なポイントについて触れておきます。
WirelessHARTネットワークは堅牢で安全です。私たちは、システムとネットワーク内で交換されるデータを保護する多くの技術を持っています。
例えば、 WirelessHART ネットワークでは、業界標準の128ビットAES暗号を使用しており、すべてのメッセージに固有の暗号キーが使用されています。さらに、ネットワークのデバイス認証とデータの整合性の検証も行います。また、デバイスがネットワークに参加した際には、自動またはオンデマンドで暗号化キーを設定することができます。
このネットワーク自体も保護されており、デバイスがアクセスする前に、複数のレベルのセキュリティキーが設定されています。また、チャンネルホッピングにより、ネットワークのセキュリティと保護が強化されています。加えて、他のネットワークとの共存も実現しています。
最後に、WirelessHARTは、WiFiネットワークで時折発生するサイバー攻撃から完全に保護されています。ネットワークはすでに鉱業から海上の石油プラットフォームに至るまでのアプリケーションに実装され、その堅牢性、信頼性、安全性が証明されています。
4-20mAを使っている私の工場では、WirelessHARTを導入するメリットが分かりません。
わかりました。ですが、フィールド機器から多くの情報を得られれば、日々の問題への対処法を変えることができます。まず、4-20mAの伝送が使われている工場でも、すでに多くのスマート機器が現場に設置されています。しかし、ほとんどのユーザーはその情報を日常業務の改善には使用していません。
例えば、Endress+Hauserのレーダーレベル計を使用していても、4-20mAの信号しか使用していなければ、Heartbeat Technologyなどのスマートな情報にアクセスすることはできません。
もう一点は、フィールド機器に問題が発生したとき、機器の健全性の情報に関するデータが何も見えないということです。オンラインソリューションを使ってこの情報を収集すれば、何が起こっているのかすぐに分かり、問題をより早く解決することができますし、場合によっては問題の発生を事前に避けることもできます。
WirelessHARTアダプタは、4-20mA信号に影響を与えることなく、フィールドデバイスに取り付けることができます。HARTプロトコルで提供されるすべてのスマートデータを収集し、ワイヤレスネットワークを介して送信します。
データがゲートウェイに到着すると、FieldCareのようなローカルソリューションを使って情報を読み取ることができます。あるいは、エッジデバイスとNetilion Healthなどを使ったクラウドソリューションを選択すれば、その情報にどこにいてもアクセスできるようにすることもできます。
さらに、エッジデバイスを備えたクラウドソリューションがあれば、工場のデジタルツインを作成し、現場の状況をより詳細に把握することもできます。例えば、Netilion Analyticsは、最適なソリューションです。
WirelessHARTネットワークとIIoTの構成が複雑すぎます。
他のデジタルネットワークと同様、設定方法には「基本的な考え方」があります。しかし、それを理解し、段階的なアプローチに慣れれば、技術チームはすぐに実施できるようになるでしょう。
ここでは、その簡単さを示すために、順を追って構成をまとめてみようと思います。
まず、WirelessHARTゲートウェイには、ネットワークIDとジョインキーが与えられます。これは、ネットワークに一意の名前を与え、そのネットワークにアクセスするために必要な「パスワード」を与えるものです。
次に、WirelessHARTアダプタをフィールド機器に装着します。機器を接続し、アダプタにネットワークIDとジョインキーを設定すれば、ネットワークにアクセスできるようになります。
また、プライマリ値、セカンダリ値など、ネットワーク上に送信すべきデバイス情報をアダプタに設定します。
これが終わったら、アダプタにネットワークへの参加を命令すれば、あとの接続は自動的に行われます。
すべてのデバイスがネットワークに参加したら、ゲートウェイからの情報を制御システムやSCADAに統合する必要があります。そのための選択肢には、OPC、Modbus TCP/IP、Modbus RS485、EtherNet/IPなどがあります。
WirelessHARTゲートウェイの制御システムへの統合は、オートメーション関係者にとって非常に馴染み深いものでしょう。ゲートウェイは、先に述べたように、オープンでアクセス可能なプロトコルを使用して、それを実現しています。
これはもちろん、どのように行われるかを簡潔にまとめたものです。必要に応じて手順の順番を変更することもできます。ほとんどのベンダーは、トレーニングをサポートしていますので、工場でのWirelessHARTの最初のインテグレーションのサポートも対応しています。
私の工場には対応ベンダーがないので、このWirelessHARTアダプタを使うことはできません。
いいえ、使うことが出来ます。WirelessHARTは、HARTプロトコルを使用するどのベンダーのデバイスにも、あるいは4-20mAのみ(特定のアプリケーション)にも装着できます。つまり、現場にどんなベンダーがいても問題ないということです。FieldCareのようなツールを使えば、適切なDTMファイルを用意するだけで、情報を収集したり読み取ったりすることができます。
現在、一部のIIoTサービスでは、フィールドデバイスとオンライン監視の互換性を確認することが重要になっています。しかし、IIoTサービスのトレンドは、短・中期的には実質的にすべてのベンダーをサポートしてゆきます。
IIoTソリューションにWirelessHARTネットワークを統合するのは複雑すぎます。
この記事の冒頭で述べたように、この技術の設定と実装は非常に簡単です。この記事では、IIoTとWirelessHARTに関する詳細な情報をご紹介しています。
WirelessHARTネットワークをクラウド化するための手順を、まず重要なアセットに焦点を当てて挙げてみます。
- 工場で重要なデバイスの選定:最初に、どの計測とフィールド機器があなたのプラントに不可欠であるか見出す必要があります。次に、エンドレスハウザーと協力してWirelessHARTネットワークのサイズを決め、ワイヤレスアダプタ、リピータ、WirelessHARTゲートウェイが何台必要になるかを調べます。
- 必要な機器にワイヤレスアダプタを装着:重要なデバイスには、それぞれ1つのアダプタが必要で、ローカルに設置します。
- WirelessHART ゲートウェイに接続:すべてのSWA70アダプタにネットワークIDとジョインキーを設定すると、ワイヤレスゲートウェイに自動的に接続されます。ワイヤレスゲートウェイは、フィールドデバイスからすべての情報を収集します。
- ワイヤレスゲートウェイをフィールドエッジSGC500に接続:WirelessHARTゲートウェイSWG70はNetilion に対応済みなので、エッジデバイスSGC500に仕様に従ってSWG70のHARTアドレスとポートを設定し接続します。その後、エッジデバイスをインターネットに接続します。
- Edge Deviceを設定し、Netilionへの接続を確定:Edge Device SGC500を構成してNetilionアカウントに接続し、設置を完了します。
以上です。簡単でしょう?今日はこれで終わりにします。あなたの工場でWirelessHARTとIIoTを適用する準備はできていますか?私はあなたがそうであると確信しています。
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それではまた、お会いしましょう