WirelessHARTとIIoTサービスを使って、テーリングダムのアプリケーションの安全性を高めるには?

テーリングダムについて聞いたことがないという方は、おそらく鉱工業とは異なる産業に従事しているのではないでしょうか。昨年、ブラジルでこのアプリケーションに関する問題が発生した後、テーリングダムは最近の重要なトピックになっています。

今日は、このアプリケーションに関して、テーリングダムとは何か、なぜ存在するのか、監視に役立つソリューションとは何かをご説明したいと思います。

もちろん、このアプリケーションにはさまざまな種類の監視方法があり、そのほとんどが、より多くのデータをオペレーターに提供するために組み合わせて使用されています。

また、これらの可能性の1つを紹介し、なぜこのアプリケーションでオンライン監視を行うことが重要なのかをご説明します。最後に、監視システムをIIoTを使った機器の健全性監視サービスを一緒に導入するメリットと、このサービスがどのようにお客様に付加価値をもたらすかについてもご紹介します。

いつものように、無線やIIoTサービスのソリューションを導入して、テーリングダムの安全性を向上させる方法を一緒に検討しましょう。

テーリングダムとは何でしょうか?

テーリングダムというのは、鉱山会社が鉱山から出るすべての廃棄物を保管するために作った大きな構造物です。仕組みを見ればわかるように、テーリングダムはこれらの廃棄物を恒久的に保管する構造物です。

つまり、テーリングダムは、かなり巨大な構造物ということになります。私はブラジルで初めてテーリングダムを見たときのことを覚えています。まず遠くから見て、その大きさを実感しました。そして、今日お話しするアプリケーションの確認のために訪問したときも、その大きさは想像を絶するものでした。

通常、ウラン、金、銅などの採鉱プロセスでは、テーリングダムが見られます。私が調べたところによると、カナダには世界最大のテーリングダムがあるそうです。この場所で発生する製品の量は想像もつきません。長さは18キロ、高さは40〜80メートルもあります。巨大ですよね?

さらに、エコノミスト誌の記事によると、世界にはすでに約3500のテーリングダムがあるそうです。最近、ブラジルの2つのテーリングダムで起きた事故を受けて、世界中でテーリングダムについて議論されています。社会は、このアプリケーションはどのくらい安全なのか?ダムが崩壊したらどうなるのか?など議論されています。

確かに、他の産業用アプリケーションと同様にビジネスにはリスクはありますが、安全性の監視を行うために、オートメーションはどのように役立つのでしょうか?

テーリングダムの仕組みは?

採掘プロセスでは、目的の成分を抽出する際に多くの廃棄物が発生します。この廃棄物は、岩石、砂、化学試薬、商品を抽出するために使用した水など、さまざまなものが組み合わさったものです。

これらの廃棄物はすべて、沈殿と分離のためにテーリングダムに送り込まれます。そのため、このアプリケーションの安全性を確保するためには、テーリングダムの壁に含まれる水分や湿気を測定するシステムを導入し、伸び計や縮み計などで構造を監視することが不可欠です。

しかし、テーリングダムには様々な種類があり、以下にその種類と建設方法を挙げました。

上流テーリングダム:

上流テーリングダムは、スターターダムの上流に向かって徐々に高くなっていき、テーリング材はダムの支持体に組み込まれていきます。

下流テーリングダム:

下流のテーリングダムでは、スターターダムの下流に向かって徐々に構造物を高くしていきます。

センターテーリングダム:

最後に、スターターダムの中心線上にセンターラインテーリングダムを順次建設します。

テーリングダムの監視はどのように行われるのですか?

現在では、ダム壁の水位や水分量の監視は、オペレーターが手作業で行うのが一般的になっています。チェックすべきポイントが多いため、監視が散発的になってしまうということです。

さらに、誰かが値を測定して読み取ることに依存した監視を行っている場合、測定方法に多くの問題があります。これは情報の質に影響します。

各オペレーターは、データを読み取って解釈し、その結果を記録し、後にコンピューターに転送するまでの手順が異なります。

ご覧の通り、この手順には間違いの余地があります。また、15日に1回、ひどいときには1ヶ月に1回というように、時々しか測定しない人がいると、水や湿気に関する十分なデータが得られません。

このケースでは、自動化が正しい方法で、5分ごとなど、より頻繁にデータを収集し、はるかに正確な測定値を得ることができます。

テーリングダムの安全性を高めるには?

手動監視から自動システムに変更すると、以前よりも多くのデータが得られ、正確に判断できるようになるので、安全性が高まります。テーリングダムでは、流量、レベル、変位、ひずみなど、さまざまな種類の測定が可能です。

スマートなソリューションは、オンラインデータを制御システムに提供することができるので、マニュアルで値を読み取ったりメモしたりする際に発生するヒューマンエラーを排除することができます。例として、WirelessHARTソリューションを使った地下水位の測定を見てみましょう。

このアプリケーションでは、ウォーターウェル内のPVCやその他のタイプのパイプに静圧レベル計を設置します。静圧式レベル計には、WirelessHARTアダプタSWA70などのWirelessHARTアダプタを装備します。

アダプターはレベル計に10分または15分ごとに電源を給電して測定するように設定することができます。これにより、15日ごとに手動で測定するよりもはるかに多くの情報を得ることができます。

また、超音波レベル計を使ってテーリングダムのレベルを測定し、その情報をWirelessHARTアダプタで送信することもできます。

WirelessHARTソリューションは、オートメーションへの投資コストを削減するのに役立ち、多くのインフラを必要としません。すべてのデータを収集するために必要なのは、Fieldgate SWG70のようなWirelessHARTゲートウェイだけです。

最後に、ワイヤレスネットワークの設定は簡単で、すべての情報はOPCやModbusなどのオープンプロトコルを介してあらゆる制御システムに簡単に統合することができます。

IIoTでアプリケーションをどのように改善できるのか?

ワイヤレスソリューションは、すべての測定値を提供するだけでなく、デバイスの診断情報も提供します。これで、デバイスの健全性の監視情報に直接にアクセスしたければ、Netilion HealthのようなIIoT健全性監視サービスが、どこにいても情報にアクセスできるようになります。

システムにデバイスの健全性監視機能を追加して、アプリケーションの安全性を高めるためには、エッジデバイスをワイヤレスゲートウェイに接続するだけで実現します。エッジデバイスは、現場とIIoTクラウドソリューションの橋渡し役となります。

簡単な設定をするだけで、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンですべての健全性の情報にアクセスすることができます。測定ポイントに何かあった場合は、すぐに通知されます。

ここでは、Netilion Healthの健全性監視状況を見ていただくことができます。どこにいても、どんな情報が得られるのか見てください。Netilion HealthとのWirelessHARTは、テーリングダムの安全性を向上させる最も強力なソリューションの1つです。

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