PROFIBUSネットワークとIIoTサービスでの利用方法のご紹介
工場でPROFIBUSのネットワークを使っているのであれば素晴らしいのですが、もし使っていなくとも、心配はいりません。IIoT（産業用モノのインターネットソリューション）を導入することで、システムを強化し、その力を最大限に引き出すことができます。
この記事では、PROFIBUSネットワークに関する情報をご提供したいと考えています。PROFIBUSの種類、仕組み、PROFIBUSとPROFINETの違い、そしてIIoTをPROFIBUSソリューションに適用する方法についてお話します。
それを読んだ後、ご担当のネットワークを改善する準備ができていることでしょう。しかし、たとえネットワークがなくても、工場での導入を計画するために必要な情報はすべてここにあります。
PROFIBUSユーザーのコミュニティは、日々成長していることも重要な点です。このプロトコルを担当する標準化団体は、どこに行ってもPROFIBUSの言葉を広めるという素晴らしい仕事をしています。
ご準備はいかがでしょうか？ここでは、このプロトコルを詳しく見て、IIoTサービスと一緒に活用して、フィールドデバイスとネットワークから最高のパフォーマンスを引き出す方法を学んでください。
PROFIBUSとは？
PROFIBUSは、フィールドセンサと制御システム、コントローラとの間の通信を行うデジタルネットワークです。最初に開発されたとき、PROFIBUSのソリューションはファクトリーオートメーション業界に導入されましたが、次にプロセス業界、製造業などにも導入されました。
当初、技術グループはPROFIBUS FMS(Fieldbus Message Specification)を開発しました。これは現在では使われていない複雑なプロトコルでした。その後、彼らはPROFIBUS DP(Decentralised Peripherals)プロトコルの開発に取り組み、1998年にはPROFIBUS PA(Process Automation)が発表されました。
現在、PROFIBUSといえば、PROFIBUS DP、PROFIBUS PAがあります。それに加えて、イーサネット通信をベースにしたPROFINETが開発され、すでにさまざまな分野やアプリケーションで導入されています。
PROFIBUSの種類とは？
前に述べたように、市場にはPROFIBUS DPとPROFIBUS PAがあります。それでは、PROFIBUS DPとPAがどのように機能し、どのようなアプリケーションでよく使われているかを見てみましょう。
ProfibusDPとは？
PROFIBUS DPネットワークは、RS485の物理層と欧州規格EN-50170に基づいた迅速なソリューションとして開発されました。物理層は銅線である必要はなく、無線や光ファイバでもよいのです。
PROFIBUS DPはDecentralized Peripheryの略です。I/Oの接続に、完全に分散化された高速シリアル通信を使用して、中央のコントローラに接続することを意味しています。
また、PROFIBUS DPのプロトコルは、ISO7498規格に準拠したOpen System Interconnection (OSI)モデルに基づいており、各プロトコル層にはタスクが定義されていることも重要です。
PROFIBUS DPネットワークは、マルチマスタートークンネットワークです。つまり、システム内に2つ以上のマスターが存在する場合、フィールド機器との通信権を与えるトークンがマスターからマスターへと渡され、それぞれが通信時間がシェアされます。
マスターには2つのクラスがあります。マスタークラス01は周期的に情報を通信し、プロセスの制御を行います。マスタークラス02（オプション）は、非周期な情報を通信し、診断、アラーム、デバイスの設定に使用されます。
速度については、100ｍから1000mのシステムで、9.6kbp/sから12Mbp/sで動作します。トポロジーに関しては、PROFIBUS DPネットワークは線形であり、ゲートウェイ、リピータ、ターミネータを使用します。
最後になりますが、DPネットワークはProfiSafeプロファイルを持つことができ、SIL3安全アプリケーションで使用することができます。
Profibus PAとは？
当初、PROFIBUS PAプロトコルは、HART通信の進化系として開発されました。PROFIBUS PAは、計測器と制御システム間を通信するフィールドアプリケーションに特化しています。
PROFIBUS PAは、電源と通信の両方にシールド付きツイストペアを使用します。物理的なネットワーク構造はIEC-61158-2に準拠しており、ネットワーク上のデータレートは31.25kbit/sとなっています。実は、FOUNDATION Fieldbus H1とほとんど同じで、どちらも同じ規格に基づいています。
開発当時の31.25kbit/sは、フィールド機器が送受信する情報としては十分すぎるものでした（今でもそうですが）。
PROFIBUS PA機器はコントローラに直接接続されません。これは、より高速なPROFIBUS DPネットワーク上に置かれ、カプラーまたはリンクを介して通信します。カプラー/リンクはネットワーク・インターフェイスとして機能し、バスに電力を供給します。
PAネットワークの優れた点は、本質的に安全な設計が可能なことです。つまり、PAネットワークに接続された機器は、危険場所でも使用できます。
通常、本質安全防爆仕様のバスでは、従来のネットワークに比べて機器の数が少なくなりますが、これは、それぞれに最適な機器の数を決定するいくつかの要因によります。例えば、機器の消費電流、バスの全長、ケーブルの種類などがあります。
PROFINETとは？
先に断っておきますが、ここではPROFINETについては深く触れません。というのも、PROFIBUS interest groupが管理しているとはいえ、PROFINETは別のプロトコルだからです。PROFINETの仕組みについては、また別の機会に紹介したいと思います。要点だけを見ていきましょう。
この、PROFINETはPROFIBUSプロトコルの進化系と見なせるでしょう。現在の産業界では、イーサネット(IEEE802.3)やOSIモデルをベースにしたプロトコルを使う傾向があります。
PROFINETは、制御から現場での通信まで適用でき、企業の生産現場にITの利点だけでなく、均一で垂直なネットワークをもたらします。
すでに多くのメーカーが、ネイティブなイーサネットベースのプロトコルを使用したフィールド機器を提供しています。この種のプロトコルは、よく知られたモデルを使っているので、インフラコストが低く、実装が容易であるという点も利点です。
しかし、PROFINETがPROFIBUSのEthernetだとは思わないでくださいね。PROFINETはEthernetをベースにした標準化規格で、PROFIBUSプロトコルを進化させたものです。
PROFINETの大きなメリットは、TCP/IPと潜在的に共存していることで、実質的なメリットが追加されています。すべてのデバイスは単一のネットワークに接続され、そこで制御、診断などが行われます。通常、ゲートウェイは必要ありません。
この規格では、リング型、ライン型、ツリー型、スター型など、さまざまなトポロジーでネットワークを構築することができます。PROFINETは最大で毎秒1000メガビットの速度で動作し、最大ケーブル長は100メートルにもなります。その高速動作により、1ミリ秒以下の応答時間を実現しています。
PROFIBUSとPROFINETの違いは何ですか？
PROFIBUSとは、さまざまな産業やアプリケーションで採用されている、従来からよく知られたデジタル通信プロトコルのことを指します。このプロトコルはシリアル通信をベースにしており、産業界に多くのメリットをもたらしてきました。
PROFINETは、産業用Ethernetをベースにしたプロトコルです。それにより、PROFINETはより高速な通信をサポートし、より多くの帯域幅も備えています。つまり、PROFINETネットワーク上で交換されるメッセージは、PROFIBUS上のメッセージよりも多くの情報を含むことができるのです。
下の表はPROFIBUS Internationalが作成したもので、両方の仕様を比較しています。
結局のところ、これは最良のソリューションの一つです。しかし、プラントに最適な通信プロトコルを導入するためには、アプリケーションの要件を確認することが不可欠です。
PROFIBUS、PROFINET International とは？
PROFIBUS/PROFINET Internationalは、世界各地に存在する大規模なオートメーション・コミュニティです。彼らは市場で最も重要な通信プロトコルであるPROFIBUSとPROFINETを担当しています。
この団体は、さまざまな業界におけるフィールドプロトコルの標準化を進めるために、素晴らしい活動をしていると思います。私はブラジルで仕事をしていたときにこの組織に所属していましたが、技術について話したり、エンドユーザーに知識を提供するために大規模なイベントを開催していました。
PROFIBUSネットワークでIIoTサービスを利用するには？
私がいつも言いたいのは、ほとんどのPROFIBUSユーザーは未だにネットワークを4-20mAシステムのように扱っているということです。誰もネットワークからのデータを使って、何が起こっているのかを理解し、何かが起こる前に対処しようとしないのです。
もちろん、従来の状態監視ソリューションは、シナリオによってはかなり複雑なものになります。しかし、IIoTサービスがある今、デバイスの健全性の監視、データベース情報の検索、文書管理はかつてないほど簡単になっています。しかも、どこにいてもそれができるのです。
現場から診断情報やステータス情報を収集するためには、いわゆるフィールドゲートが必要になります。その良い例がフィールドゲートSFG500です。フィールドゲートSFG500は、クラス02のDPマスターとして動作し、フィールドデバイスからすべてのデータを収集します。フィールドゲートは、FieldEdgeSGC500のようなエッジデバイスに接続されます。
デバイスからのすべての情報は、安全な環境を使ってクラウドに転送されます。ここでは、例えばNetilion Healthでフィールドデバイスの健康状態を監視するなど、さまざまなタイプのIIoTサービスを利用することができます。
また、Netilion Libraryでは、技術マニュアルや校正報告書など、フィールド機器に関するすべてのドキュメントを整理することができます。
最後になりましたが、お客様はインストールベースをよりよく管理することができます。Netilion Analyticsは、エッジデバイスと一緒に、デバイスのデジタルツインを作成し、デバイスの種類、ベンダー、重要性、陳腐化など、インストールベースに関するすべての情報を提供します。
この記事があなたの役に立ったと思いますか？そして、#netilionを使ってソーシャルメディアでシェアしてください。
