オールインワン産業用IoTビール発酵モニタリング
お酒をつくるということは、単に原料を混ぜ合わせるだけではありません。例えば、おいしいビールをつくるには、手間と経験と知識が必要です。製麦、もろみ、発酵といった複数の工程を経て、酵素や酵母といった小さな助っ人が重要な役割を担っているのです。
しかし、おいしい飲み物を作るためには、この小さな助っ人に最適な作業環境を準備してあげなければなりません。そのため、温度、抽出液、アルコール度数などの発酵に影響を与える最適な条件を監視することが重要になります。
多くの場合、パラメーターは以下のようにして監視されます。
この作業がおなじみでしたら、読み進めてみてください。手作業の時間を節約できれば、もっと他の作業に時間を活用できるかもしれません。IIoTを活用したビール発酵モニタシステムのデジタル化についてご説明いたします。
目次
- ビール発酵のオンラインモニタリングのメリットとは?
- なぜ発酵モニタをデジタル化する必要があるのか?
- 発酵モニタはどのように機能するのでしょうか?
- ビール発酵モニタの仕組みは?
- IIoTによるデジタル発酵モニタの導入方法
- IIoTデバイスで発酵プロセスを監視する準備はできていますか?
ビール発酵のオンラインモニタリングのメリットとは?
- 補正:常時計測し、閾値を逸脱すると警告することで、高品質を維持
- 速さ:リモートからのデータアクセスで、迅速対応を実現
- 最適化:過去データの分析により、効果的なプロセス改善が可能に
デジタル化とIIoT技術は、製品の品質に関するほぼすべての側面を改善することができます。では、発酵プロセスに設置する監視システムは、どのようなものが最適なのでしょうか。
IIoTについてご説明する前に、どのようにインラインセンサを使ってビール発酵のモニタリングをデジタル化すべきなのか、その理由をご説明します。
なぜ発酵モニタをデジタル化する必要があるのか?
プロセス値を人がチェックするのではなく、装置でチェックする主な利点は、不定期な時間間隔で手動でサンプルを採取するのではなく、発酵に関連するすべてのパラメーターの連続した値を得られる点です。
常に連続値を把握することで、プロセスの安全性と品質を向上させることができます。異常値が出た場合、次のサンプリングで判明するのではなく、すぐに対処できるようになります。また、手作業を削減することで、コスト削減にもつながります。
発酵モニタはどのように機能するのでしょうか?
Endress+Hauserの発酵モニタQWX43を例にとって説明します。この便利なインラインマルチセンサシステムは、密度、粘度、音速、温度の4つの値を一度に測定し、オンラインダッシュボードで表示します。
閾値を設定し、閾値を超えた場合に自動的に通知することで、生産品質を向上させることができます。発酵がいつ終わるかを正確に知ることで、その工程に費やす時間を短縮し、次のバッチのためにタンクをいち早く解放することができます。このようにして 、生産性の向上に役立てることができます。
また、センサはEHEDGおよび3Aに準拠した衛生的なステンレス製ボディに収められ、タンク一体での洗浄を可能にしています。
ビール発酵モニタの仕組みは?
Endress+HauserのQWX43は、圧電素子を使って振動する音叉と複数のセンサが組み合わされています。センサは、発酵を評価するための密度測定や、品質管理やろ過時間の予測を行うための粘度測定を行います。
音叉間の超音波の伝搬時間測定は、密度測定と組み合わせて、アルコール度数などの複雑な変数を測定するために使用されます。
音叉部に丸みを持たせた設計により、センサ表面への気泡の発生を抑え、測定の安定性と信頼性を向上させました。
IIoTによるデジタル発酵モニタの導入方法
このセンサはさまざまなタンクに簡単に設置でき、ワイヤレスでクラウドに接続できるため、現場でセンサの表示を見るのではなく、コントロールセンターやスマホでもタンクを監視することができます。
これで、現場にいなくても発酵の進捗を確認することができます。
Endress+HauserのIIoTエコシステムであるNetilionにWAN接続するので、ゲートウェイやエッジデバイスは不要です。Netilion Valueアプリでいつでもデータにアクセスでき、1つのダイアグラムで最大4つの値をモニタリングできます。
データクラウド上に記録されているので、過去のバッチの値を見たり、比較したり、スプレッドシートにエクスポートしてさらに分析することも可能です。
また、Netilionでは、過去のバッチのパラメーターを保存し、さまざまなレシピを作成し、タンク充填のたびに使用するレシピを選択する機能も備えています。
IIoTデバイスで発酵プロセスを監視する準備はできていますか?
Endress+Hauserの発酵モニタQWX43で、NetilionのIIoTサービス一式を利用することができます。このクラウドに対応した4つの計測を一つにまとめたセンサは、モバイル回線接続だけですべてのプロセスデータをリモートで提供する、完全なビールモニタリングシステムをご提供いたします。
その可能性をご覧ください。
- いつでもどこからでも正確な現在の実測値データにアクセスでき、情報の隔たりを解消
- セキュアな環境でのデータ解析とプロセスの最適化
- 現場での人件費や手作業によるサンプリングのコスト削減
- 希望する発酵レベルの自動リモートアラートシステムによるタンク稼働の最適化
- 文書作成の手間を軽減し、データダウンロードの一貫性を向上
- ドキュメントを集約し、チームで共有することが可能
- 節約した時間と費用で、新しいプロセスやレシピを実験・開発に貢献
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